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Pop up store Power of Pottery: Yachimun at Forget-me-nots
近年では、コロナ禍によりおうちで過ごす時間をより有意義に、快適にアップデートしたいという方も増えてきたのではないでしょうか。今回は、そんな方にぜひおすすめしたい“やちむん”という沖縄の焼き物の魅力をお伝えしたいと思います。

日本でも様々な地域で陶磁器はつくられていますが、やちむんの特徴は、厚みがありぽってりとした重厚感と南国らしい鮮やかな色や絵付けで、沖縄ならではの雄大な自然や穏やかな暮らしを感じ取ることができます。

またその歴史も長く、約400年前、まだ沖縄県が琉球王国と呼ばれていた時代まで遡ります。朝鮮人から陶芸の技術が伝えられ、やちむんの基礎となる「壺屋焼」が生まれると、輸出入のコンテナとして作られていた壺屋焼が次第に家庭の日用品として親しまれていったのが、やちむんの始まりです。
その後明治時代に入り琉球王国が沖縄県になると、他県でつくられた安価で丈夫な焼き物が浸透し、壺屋焼は一度衰退し始めてしまいます。しかし、1926年頃に起きた「民藝運動」により日用品としての美が認められ、やちむんは全国へ広まっていきました。
ですがその後も、壺屋が市街地のため窯場の黒煙被害が拡大し、壺屋焼の伝統的な技法である薪による窯使用が禁じられてしまいました。そうして多くの陶芸家は、文化と技術を守るため壺屋を離れ、原料となる陶土と土地が豊富な読谷村に再度集まり、現在まで陶工を続けてきました。
現在の壺屋は、やちむんを販売するお店が立ち並ぶ「壺屋やちむん通り」として愛され、読谷村は数十件の窯元が集まる「読谷やちむんの里」として観光でも人気のスポットとなっています。
このように、幾度もの危機を乗り越え400年以上の歴史を歩んできた“やちむん”は、先人たちが守り抜いてきた文化や技術、それを受け継ぐ現在の職人達の意志を感じられることも大きな魅力の一つです。


他にも、伝統的な絵付けには模様ひとつひとつに呼び名があったり、長寿や子孫繫栄を意味していたりと、まだまだ語り尽くせない魅力が奥深いやちむん。東京ではなかなか手に取ってご覧頂ける場所も少ないので、ぜひこの機会にForget-me-nots代官山本店にてその魅力に触れてみてください。
Text by shizuka___0911 (Forget-me-nots buyer)
2021年6月19日(土)~2021年7月4日(日)
Add : 150-0033 東京都渋谷区猿楽町20-13 Forget-me-nots代官山本店