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TALKING w/ PURPLE THINGS designer KIKUNO Vol.1 About “What she cherishes inside of her?”
By Forget-me-nots Director Kyoko NAKAJIMA
クリエイティブでインディペンデントな彼女が
大切にしていること
“Forget-me-nots”が掲げる女性像である、“Creative girls, Independent women”をまさしく代表するミューズとも言えるKIKUNOが、2015年にブランドを立ち上げ、さらに2018年に本格始動をした彼女のクリエーション、インスピレーション、自身が大切にしているモノ・コトとは。
両ブランドが互いに共感している”VIBES=空気感”を紐解く。
Kyoko:では、インタビューということで。よろしくお願いします!
KIKUNO:お願いします!
Kyoko:コロナがある中でも雑誌のコラムや連載などモデルとしても活躍しているKIKUNOさんですが、今季の”PURPLE THINGS”はどういった気分で作ったものでしょうか?
KIKUNO:いつもはベーシックな色を使うことが多かったんだけど、今回はカリフォルニアのあたたかさを思い出しながら、気分がハッピーになれるような、太陽を感じる明るい色味を多く使いました。 今季のバックにグラフィックの入ったアイテムは、パーティの広告みたいな感じで作ってて、今はイベントとかができる状況ではないけれど、服だけでもそういったものを着て気分だけでも味わえたらな、と、イベントのマーチ(物販)的な感じで雰囲気を作ってみたりとか。
Kyoko:このグラフィック、すごいフロッキー(立体的)になっててかわいい!
KIKUNO:そうそう、発泡プリントにして、ちょっと豪華な雰囲気に(笑)
Kyoko:架空のイベントが行われるという設定が面白い!しかも、日にちは描かずに”TONIGHT!”なんだ!ゲリラ感がある(笑)
KIKUNO:そうそう、イベントがある時の気持ちを作ってる時に思い出してて。“イベントが今夜あるよ!”みたいなワクワク感って今はあまりないじゃないですか。
手に取る人にそういう気持ちを思い出して欲しいっていうのもあるし、恐竜のグラフィックも、POPに気持ちが上がるような感じのグラフィックを作ってみました。
Kyoko:なんで恐竜にしたの?
KIKUNO:恐竜好きの友達がいて、その友達がグラフィックを描いてくれたもの。”PURPLE THINGS”の”P”を持たせてみた。
Kyoko:かわいい!生まれたての恐竜なんだね。
KIKUNO:生まれたて!”P”とともに生まれてきた(笑)
Kyoko:これも人をHAPPYな気持ちにさせるようなアイテムだね。
Kyoko:ブランドとして、デザイナーとして、どんな5年間だった?
KIKUNO:この5年間はかなり大きい変化があった。ブランドを始めたの自体は5年前だったけど、その中の3年は、アルバイトしてお金貯めたりしていた時期もあったので、5年前の自分と今の自分では全然違う環境にいたな。
作り始めた頃とは自分のクリエイトするものに納得がいかなくて、その期間がすごく長かった。今はもっと自分の作り出すものに対して自信がついたかな。
ただ本当にStill(まだ)探り探りなので(笑)周りの人に助けてもらいながら、とっても運のいい3年間を過ごしたと思う。人にも恵まれたし、自分も自分のことを信じて頑張れた、自分の人生にとって、とっても大きな3年間だった。
Kyoko:なるほど。デザイナーとして集中できたのがやっぱり2年前からだった?
KIKUNO:PURPLE THINGSを自分のメインのアウトプットにしないとな、とどこかのタイミングで思って。そこからはしっかり展示会を開いたりしました。
Kyoko:デザイナーとして集中する環境を作ったり、アウトプットしたりするためにどんな工夫をした?
KIKUNO:自分の興味のある分野に日々触れること。例えば自分が好きな場所。好きなところへ行って色味のインスピレーションを受けたり、普段見ない景色を見たりすると刺激になる。
普段見ている景色はやっぱり見慣れてきちゃうから、行ったことがないところ、やったことがないことをやってみる。自分の好きな音楽やアーティスト、カルチャーに触れて、探索していく。
無意識のうちに取り入れられるものじゃないと無理をしてしまうことになるので、自分の好きなことに敏感でいること。無意識にそれを取り入れられる自分でいることを大事にしてる。
Kyoko:“自分の好きなことに敏感でいる”ってとっても良い!意外となかなかできない。
KIKUNO:そう、惑わされることが多すぎるから。
Kyoko:SNSとかもだし。
KIKUNO:みんな意外と見過ごしていることが多いと思う。携帯見て、PC見てる時間が多すぎて。特に移動中とか。情報と人に惑わされるより、自分に集中していたい。自分がどう感じているかとか、自分がしたいこと、やりたいことを優先していたい。
できないことも多いけどね、忙しいと忘れがち。深呼吸することも大事。
Kyoko:旅行に行けない時はどういうふうに過ごしてた?
KIKUNO:ひたすら想いを馳せるしかない(笑)でも本当に、写真を見返したりとか、その時のことを思い出してみようと思って思い出してみた。 あの時ここへ行ったな、こんなことしたな、そういえばあそこにあったお店良かったな、とか思いながら写真を見返し、動画を見返していました。
Kyoko:行かないと行かないで妄想力が高まりそう(笑)
KIKUNO:それよりは行けない悲しさが大きかった・・・でも確かに行けないからこそ思い出すこともあったし、普段だったら旅行の写真とかってあんまり見返すタイミングがないじゃないですか。何気ない写真でも、撮ったことに理由があるだろうし、それを大切に見返す時間になった。思い出して、より良いなって思えるきっかけになった。
Kyoko:私もいつもどうやって発散していたかなって考えた時に、やっぱり海外に行って旅行して、好きな場所、好きなものを見ることだったって気づいたな。 なぜか日常の中だとぼーっとする、何も考えないっていうことが難しくて、旅行だとそれができる。
KIKUNO:ね、その解放感がないのが本当に辛い。解決策が見つかったかと言えばあんまり見つかってない。
Kyoko:でも、ベランダで過ごすとか工夫してて気持ち良さそうだった!
KIKUNO:そうだね、外で過ごすことは大切にしてる。
KIKUNO:今も今までもあまり”PURPLE THINGS”をこうしていきたい!ということがあまりなくて。良くも悪くも計画性がないというか。そういうことが苦手なのかもしれないけど、自分のその時々のアウトプットができたらいいな、と思って作ったブランドだから、これからも計画というよりも、“良い影響を与えられたらいい”と思ってる。
見てくれる人たちに、ポジティブな”VIBE(空気感)”が伝わったらいい。それが基本であり、それでしかないと思ってます。
Kyoko:それがさっきも言ってた、自分のやりたいこと、好きなことに集中するとかあまり縛られないでいるということに繋がっているのかな。
KIKUNO:誰のためにやってるでもないから。もちろんお客様がいて、買ってくれる人がいて成り立っているブランドだけど、それでも自分のためにやっていたい。人として魅力的でありたいし、そんな自分を見て、人が良い影響を受けたり、感じ取ってくれたら良いな。PURPLE THINGSは自分の分身として、みんなに良い影響を与えて欲しいと思ってる。
Kyoko:海外に出店したいとかは?
KIKUNO:モノをどこかに置くというよりは、色々なコミュニティに”PURPLE THINGS”が広まって、東京でかっこいいブランドがあると言うことを認識してくれたら嬉しいな。
私がサンフランシスコから帰ってきた当初、女の子がメンズ服を着たり、服をオーバーサイズで着るっていうことが日本ではまだ普通じゃなくて、窮屈な思いをした。着たい服、買いたい服がないってすごく辛いじゃないですか。どこにも売ってなくて、海外にしかないっていうフラストレーションがあった。じゃあ着たい服を自分で作ろう、と思ったのがブランドを立ち上げたきっかけでもある。
Kyoko:だからメンズっぽいブランドを作った?
KIKUNO:途中でメンズに切り替えたのは、レディースは自分にはデザインできないとも思ったし、「女の子の作るメンズ」で自分にしかできない表現をしたいと思った。でも本当は、そのジェンダーのボーダーってなんでもないこと。服のブランドだからって分けようとするけど、どっちでもいいと思ってる。ボーダーラインをあまり意識せずに“これは女の子に良さそう、男の子に良さそう”、とか全然考えないで作ってる。どっちでもないし、どっちでもある。着たい人が着てくれればいい。
Kyoko:サンフランシスコから帰ってきたのはどれくらい?
KIKUNO:2011年くらい。
Kyoko:私でいうと社会人2年目くらい・・・。ああ!確かにその頃って、LAと言えばいわゆるサーフ系で、女性はスキニーなジーンズにタイトなシャツを着てた。
KIKUNO:そうそう、その後自分が雑誌とかに出るようになって、“メンズライクですよね”って言われるのも嫌だった。“メンズライク”にしたくてしているわけじゃない。メンズを着ているけど、“メンズライク”じゃない。インタビューでその言葉を使われると絶対に赤字を入れて却下してた(笑)今は女の子も男の子も分け隔てない、良い時代だなと思います。
Kyoko:一時期は“ジェンダーフリー”とか“ジェンダーレス”とかいう言葉で表現されるほど、新しい価値観・考え方だったね。
KIKUNO:そうそう。でも本当は、なんでもないこと。あんまり意識しなくていい。
Kyoko:“ユニセックス“とかも、あえて言わなくていいというか。
KIKUNO:そうそう、本当に、どっちでもいい。服のブランドだからって分けようとするけど、どっちでもいいと思ってる。そうやってボーダーラインをあまり意識せずに作ってる。“これは女の子に良さそう、男の子に良さそう”、とか全然考えないで作ってる。どっちでもないし、どっちでもある。着たい人が着てくれればいい。
Kyoko:まさに2011年ってコンサバっていうか、スキニーが流行ってたよね〜
KIKUNO:そうそう、スキニー、ピンキー、みたいな。とっても生きにくかった。
Kyoko:雑誌の力も強くて、“これがいい!”って言われるとみんな制服かのように同じモノを着てた。似合う、似合わない関係なく着ちゃう。
KIKUNO:みんなの意思のなさも嫌だった。アメリカから帰国してすぐは渋谷を歩くのすら嫌で。その頃はすごく尖ってて、“全員ダサい”って思ってた(笑)本当にこんな世界で生きられないって。今思うと自分はどれだけおしゃれなの?って思うけど、みんなのその”同調意識”が見えて嫌だった。実際に格好がダサいかっていうことよりも、“みんな一緒が良い”っていう意識。
Kyoko:“これ着ていれば安心!”みたいなね。そういう人たちに対してメッセージを投げかけるわけじゃないけど、”PURPLE THINGS”に投影した自分の意思を表現していた?
KIKUNO:そう。自分のスタンスはこう、っていうものについてきてくれる人がいれば嬉しいけど、そうじゃない人もいることはわかってる。
KIKUNO:もう、素晴らしいじゃないですか(笑)
Kyoko:私が最初にコンセプトを考えたものを、クリエイティブディレクターの方がこういう言葉にしてくれて。自分で創り出す、独立・自律した女性に向けていきたい。みんなそういう女性になってください、ということではなくて、その価値観がHAPPYだから、おすすめしていきたい。
最初に”fmn (Forget-me-nots)”の話をしたのはもう1年以上前だけど、聞いた時どう思った?
KIKUNO:ウィメンズのお店でPOP UPするのは初めてで、ブランドの世界観を空間で表現するのも初めてだったので、とても楽しみにしていました。“fmn”とのコラボレーションのラグは、fmnのキーカラーを使って、家の中で大好きなカリフォルニアのハッピーな空気を感じられるアイテムにできたらなと思ってデザインしました。これはすごく自信作だし、自分でも気に入ってる。デザインの技術的な面ではまだまだ未熟なので、思った通りには行かなかったな・・・とか毎度あるけど、今回は本当に気に入ったものが一緒に作れて良かったな。
Kyoko:まさに”fmn”のキーカラーのブルー、ピンク、オレンジ、ライトブルーは実はカリフォルニアの空をイメージしたカラー。暖色と寒色が混ざった空の色と雲の色と、太陽の色なので、本当にぴったり!
KIKUNO:まさにぴったりなものづくりと空間づくりができたと思う。今回は前に作ったものより大きなラグにしていて、今までのものは部屋のアクセントになるようなサブ的なラグだったけど、メインのラグとして使ってくれたら嬉しい。
Kyoko:コラボレーションのアイテムとしてラグを作ろうって提案してくれたのも、やっぱり家でもHAPPYな気持ちになれるように、ということから?
KIKUNO:そうだね。今家にいることが多い人が多いと思うし、今みんなこういうムードなのかなって。服よりも本当に必要なものとか、インテリアが欲しい気分。
今後は”PURPLE THINGS”ももっとリビングスペースのアイテムを増やしていきたい。シーツとかベッドリネン、ボックス(棚)なども作りたいな。
Kyoko:“fmn”のお店に実際来てみてどう感じた?
KIKUNO:ラインナップがすごく素敵なので、買い物に来たいなと思わせられた!ピンクの壁も、そこの一部分だけはレディースらしさがあって良いね。
Kyoko:お気に入りのブランドもあった?
KIKUNO:“Levi’s Red”のデニムは実際に持っていて、最近のお気に入り。意外と女の子って、ベーシックなアイテムを選ぶのが難しかったりどこで買えるのか分からなかったりするから、オリジナルのスラックスも含め、ベーシックなアイテムを探しにこれるお店になりそう。それにプラスして、アクセントになるようなおしゃれなアイテムも選べる感じ。
Kyoko:PURPLE THINGSのポップアップスペースは、KIKUNOさんのインスピレーション源になっているものも置いてくれたとか?
KIKUNO:私の家が完全再現された空間そのもの。お気に入りの本も置いていて、かなり厳選してきた!自分が好きなマガジン、ずーっと昔から大切に持っている、友達から誕生日プレゼントにもらったジン、インスパイアされた本や写真集を持ってきたよ。私のクリエイティブな部分も感じてもらえるPOP UPになっていると思う。 私のクリエイティブな部分も感じてもらえるPOP UPになっていると思う。
夫のTAKUYAくん(TAKUYA KAMIOKA:イラストレーター・アーティスト)にオーダーして描いてもらった絵も。
Kyoko:TAKUYAくん、こういう絵も描くんだ!
KIKUNO:そう、リビングに飾る絵が欲しくて。こういう色でこういう感じで、とかなり細かくオーダーして描いてもらった(笑)パートナーの特権で。
どちらかと言うと私らしい絵になって、とても気に入ってる。こうやってみると、この絵も”fmn”の色とほぼ同じ!すごい波長が合ってる。
KIKUNO:気持ちを温めて楽しみにしてきて欲しい。みんなを満足させるためだけに作ったので(笑)みんなの喜んだ顔が見たい。いつも自分を応援してくれている人たちが来たときに幸福感を感じてくれたら。そんなに知らない人でも、ぱっと見で入ってきてくれたらいいな。こうやって空間を含めて見せられる機会がこれまでなかったから、PURPLE THINGSの空気や雰囲気を感じて欲しいです。
PURPLE THINGS - DESIGNER/DIERCTOR
KIKUNO
東京出身。幼少期から音楽やストリートカルチャー等、ボーイズカルチャーに触れながら育つ。写真学科を専攻後、19歳から4年間をサンフランシスコとロンドンで過ごし、帰国後デザインオフィスで働く傍ら、ブロガーとして活動。2015年に自身のブランド「PURPLE THINGS」を立ち上げる。生粋の東京ローカルとして独自のネットワークを持ち、音楽とストリート、そしてファッションを繋げる独自のセンスは注目を集め、現在はギンザを始めとする様々な雑誌やメディアに頻繁に取り上げられるとともに、過去にはユナイテッドアローズアンドサンズの企画/デザインにレギュラー参加、キュレーションサイトでコラムを連載するなど、活動は多岐に渡る。
PURPLE THINGS - @purplethingstyo
@kiki_sun
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Forget-me-nots - DIERCTOR
kyoko nakajima
フランス留学、百貨店のセールス、バイイング、PRを経て、fmnを含む数アカウントのブランディングディレクターを兼任。国内外のブランドビジネスに携わる。Art, Culture, Fashionそしてそこに関わる People を繋げていく活動に日々邁進。
@quioco
KIKUNO来店日
2021.3.7 sun 11:00-18:00