Talking With her
Talking w/ Ugly Sweater Club designer Anzhelika
Ugly Sweater Clubは、ドバイを拠点とするニットウェアブランドで、“不完全さの中に宿る美しさ”をテーマに、遊び心あふれるコレクションを展開しています。
今回のインスタレーションにあわせて、Ugly Sweater Clubのチームが来日。デザイナーAnzhelikaへのインタビューを、初日11/22(土)に開催されたレセプションパーティの写真とともにお届けします。

fmn:今回、こうした店舗でのインスタレーションの展開は初だという事ですが、Forget-me-notsにはどのような印象をお持ちでしょうか?
Anzhelika:ブランドのセレクトが本当に素敵だと思っています。TOGAは私の好きなブランドの一つですし、PERVERZEという日本のブランドもとても気に入っています。ここでその2つのブランドを見ることができて嬉しかったですし、こういったブランドと同じ空間で(Ugly Sweater Clubの)取り扱いがあることを嬉しく思います。
fmn:今回のインスタレーションについて教えてください。
Anzhelika:このインスタレーションは、ショールームで行った前回のインスタレーションを、少しアレンジしてアップデートしたものです。ベッドには、私たちがデザインしたピローケースを置いていて、これはショールーム期間中に友人のフォトグラファーが撮影してくれた写真をプリントしたものです。同じ写真をテキスタイルファブリックとカーペットにもプリントしています。
こうした要素が組み合わさって、一つの部屋のような雰囲気を作れているのではないかと思っています。

fmn:インスタレーションのテーマや、伝えたいメッセージは何でしょうか?
Anzhelika:10代の若者たちの装いから、本当に多くのインスピレーションを受けています。彼らのスタイルはとても直感的で、まだファッションの厳しいルールに縛られていないからこそ、とても自由で素敵なんです。そういったティーンエイジャーの空気感がある空間を再現したいと思っていました。
私にはずっと年の離れた妹がいるのですが、13歳差なんです。今はもう20歳ですが、彼女が10代だった頃の姿を見ているのはとても楽しくて、そこからとても多くのインスピレーションをもらいました。

fmn:Anzhelikaさんは、日常の習慣と偶然の出来事、夢と失望など、相反する感情や事柄に対して関心を向けられているということですが、こういった要素に着目するようになったきっかけは何かありますか?
Anzhelika:私は正反対なものに惹かれるんだと思います。自由なものと、とても厳格なもののように、全く逆の性質を持つものを観察することが本当に面白くて、そういったものを見つけることに興味を持っているんです。気がついたら、それが自分の中でちょっとした哲学のようになっていました。
ルーティーンは反復と秩序のことですし、私はそういうものがとても好きです。でも同時に、何かが偶発的に起こる瞬間も好きなんです。デザインにおいても同じで、あるものは“こうでなきゃ”と思う一方で、たまに偶然生まれる出来事や形がとても美しくなることがあります。それを探求するのが好きなんです。

fmn:ほとんどのアイテムがハンドメイドでロシアの主婦たちによって制作されていることを興味深く思うのですが、なぜ、このような生産方法を選択したのでしょうか?また、どのようにして彼らとの仕事をコーディネートしているのですか?
Anzhelika:私たちは本当に小さくスタートしたんです。あまり予算もなかったので、初めのコレクションでは、1人の職人の女性と一緒にすべてのサンプルを作りました。在庫がなかったので、お客様が来て試着して、それからセーターが仕上がるまで2週間待っていただく、という形でした。
そこから少しずつ在庫を持てるようになりました。ハンドメイドでの生産方法を採用することで、私たちは大量生産をしなくて済むし、工場で求められる大きなロットにも縛られずにいられます。何をどれくらい生産するか、という自由度も生まれて、作り過ぎを防ぐこともできます。
また、家庭用編み機を使うことで、すごく実験的なものづくりができるんです。例えば、折り返しの縁の仕上げなども手作業だからできることであって、量産ではできないようなディテールなんです。
今は8人の職人さんがいるのですが、彼女たちのほとんどが長く続けてくれています。ロシアには職人文化の伝統があって、多くの女性が編み方を知っていて、上手にできるんです。彼女たちの多くはすでに退職していて、今は仕事をしていないので、これは彼女たちの収入を得る手段にもなっています。
そして、みんな本当にこのやり方を気に入ってくれているんです。最初の頃はオンラインで職人さんを探していたのですが、今では彼女たちの間にコミュニティーのようなものが生まれていてお互いのことをよく知っているようです。なので、もし私が誰か新しい人を探していると、知り合いを紹介してくれます。そんな風に上手く回っています。

fmn:ブランドの最大の強みは、どのような点だとお考えですか?
Anzhelika:男女どちらでも着られるところがとても気に入っています。若い人から年配の人まで、幅広い人たちが着てくれているのを見るととても嬉しいです。
それから、私は本当に色が好きで。お客様が何かカラフルなものを探しているときに、私たちのブランドを選んでくれることが多いのもとても気に入っている点です。
fmn:日本のファッション業界をどのように見ていますか?
Anzhelika:とても興味深いと思います。まず規模が本当に大きいですよね。こんなにもたくさんのお店があることにとても驚きました。そして、素晴らしいデザイナーや素敵な人がたくさんいて、皆さんとてもおしゃれなスタイルをしているので、刺激を受けています。
日本に来るのは今回が2回目ですが、ずっと前から日本のファッションには強い関心を持っていました。とても大好きです。


fmn:デザインのインスピレーションはどこから得ていますか?
Anzhelika:デザインは色んなところから影響を受けています。普段は街の景色を観察するところから多くのインスピレーションを受けていて、街中にある素材の不思議な組み合わせ− 例えば、ちょっと変わった建物や奇妙な店名のようなものがきっかけになることもあります。
それから、人々の装いを見ることも大好きです。特にお年寄りのファッションが好きで、本当に素敵な組み合わせで着ている事があって、「これ使えるかも。」と思うことがよくあります。
映画を見ることも好きなので、そこから受け取るインスピレーションもとても大きいです。ヴィンテージのニットウェアを見返すこともありますし、自分のニッティングマシンで色々と試しながら新しいアイデアを得ることもあります。
fmn:タグやステッチがあえて見せられているデザインが印象的ですが、こういったデザインのアプローチにはどういった意図がありますか?
Anzhelika:このブランドを始める前、別の大きなブランドで働いていて、私はニットウェアデザイナーだったのでよく工場にも行っていたんです。そこには使われなかったスワッチや、機械のミスで生まれたちょっと変わった編み地などがあって、私はそういうものが好きだったんです。ニットウェアでは、表側より裏側の方が好きだな、と感じる事が多くて。
それでブランドを始めた時に、「私はこれが好きなんだからそのまま使おう」と思って、縫い目が裏表逆に見えるようにしたり、タグを外側につけたりするデザインを取り入れました。特別新しいデザインではないと思うし、同じようなデザインを作るデザイナーは他にもいると思いますが、私はすごく好きなんです。

fmn:それぞれのアイテムに名前が付けられているかと思いますが、なぜ名前をつけているのでしょう?
Anzhelika:このシステムは、私自身が思いついたわけではないんです。大学を卒業したあと、いくつかのブランドでインターンシップをしたのですが、その中のブランドがこの方法を採用していたんです。
アルファベットで名前をつけると、ショールームやショーの準備の時に、チームメンバー全員が品番やモデル名を覚えやすくて、お互いにサポートしやすいんですよね。退屈な番号よりも覚えやすいし、わかりやすい。そこで私もこの方法を採用し、一つのコレクションにつき一つのアルファベットを割り当てるようにしたんです。Aから始まって、今ではもうHまで来ています。
fmn:Anzhelikaさんのおすすめのアイテムはどれですか?
Anzhelika:色々あるんですけど、”Annoying Sweater”というストライプのものが本当に好きです。

fmn:ブランドとして、今後挑戦したいことや次のプロジェクトはありますか?
Anzhelika:2月末にもう一度東京に来て、バイヤー向けに新しいコレクションのショールームを開きたいと思っています。ぜひ別の新作もお見せしたいです。
私たちはとても小さなチームなので、全てのプロジェクトに対して一歩ずつ集中して取り組んでいます。今回のインスタレーションは規模としては小さく見えるかもしれませんが、多くの労力を注ぎました。
次の大きな予定は2月で、そこでまた展開できればいいなと思っています。とにかく、一歩一歩段階を踏んで進めていく、今はそういう時期にあると思っています。

fmn:他の国にも商品を展開する予定などはありますか?
Anzhelika:ぜひやりたいとは思っていますが、それよりも日本をもっと見て回りたいと思っています。まだ東京にしか来た事がないのですが、日本の他の地域のお店にも商品を展開しているので、大阪や京都など、色々な場所に行ってみたいです。今現在は、ロシアと日本のみで商品を取り扱っています。





